先日、群馬の桐生市を訪れました。
桐生市は古くから織物が盛んな町。
せっかく来たので、当時の様子がわかる文化施設をいくつか巡ってみました。
織物参考館‟紫”もそのひとつ。
養蚕から製糸、織りを経て織物になるまでがわかる展示がされています。
展示の初めは養蚕から。
お蚕様を育てて糸をつむぐ過程が掲示されてました。
その中の一つ。
水を張ったボウルにいくつか繭が浮かんでいて、糸を繰り出している展示がありました。
わたしはさほど意識せず、ささ~と通り過ぎたのですが
それを見た主人が「こんなに細いんだ~」と言い出しまして。
改めて見てみると、5~6粒(りゅう)のお蚕様から糸が出ていて、それが集まってようやく細い糸になっていました。
「え?確かに、細い。
え、しかも、いくつかの蚕様から出ている糸を集めてこの細さだよね?」
もう一度、お蚕様を確認します。
「糸が出ているようだけど・・・?」
目を凝らすと、のこぎり屋根の窓から差し込む光に細く反射する筋がある気がします。
でも、確かにあるとは言えないレベル。
老眼で衰えている私の目には確認しきれませんでした。
いやあ、お蚕様の糸って、細い。
わたしは縫物も編み物もします。
糸や布に親しんでいるという自負がありました。
でも、この展示には主人が声を上げなかったら気が付かなかったです。
そして、新鮮な驚き。
お蚕様の糸は思っていたよりも細かったのでした。
「シルクは高いな~」って思ってました。
布でも糸でもシルクが入っているとお値段がぴょんと跳ねます。
わたしが愛用している5本指ソックスも、絹の靴下はお高いです。
普通の縫物をする糸、ミシン糸にするのにどれだけのお蚕様が必要なんでしょうか。
製糸をする段階で、ほかの素材とブレンドして作ったとしても、やっぱり価格は跳ね上がりますよね。
この展示を見てシルクが高価な理由がよくわかりました。
織物参考館は高機(たかはた)で織物を織ったり、藍染めの体験もできます。
奥に進むと現役の機械が機織りしているのを見ることもできました。
糸や布が好きだけれど、こうして機械で布が織られているのを見るのは初めて。
貴重な体験でした。
織物参考館‟紫”HP
それでは また☆