城山三郎の「百戦百勝」を読んだ。
貧農の息子から始まった主人公が大きな賭けに勝っていくたびにこちらまで熱くなった。
私のASC火星ってこんな感じなのかしら、とちょっと思ったりして。
小説はあまり読まないけれど
私は小説をあまり読まない。
読み始めると、他のことが手につかなくなって
一心不乱に読み進めてしまうからかもしれない。
他のことがおざなりになるのが自分でも怖い気がする。
ただ、ときどき読みたくなると手に取る。
最近読んだのが城山三郎の「百戦百勝」だ。
主人公は貧農の息子
主人公は貧農の出身で米屋に丁稚奉公にでる。
ねずみを捕って交番に持っていくと一匹二銭で買いあげてくれることを知り、
仕事の合間にネズミを捕って小銭を溜めていく。
郷里にいるころから「働き一両・考え五両」だと言い聞かされて育った。
自分が働くだけでは一両の稼ぎにしかならないが、頭を使ってその倍以上の五両稼ぐ。
小銭を溜めながら、相場に出ていく。
大きな福耳から得た「耳学問」と経験と考えから独自の路線を歩んでいく。
大多数の意見に振り回されず、苦汁を飲みながらも辛抱し。
大勝負をものにしていく様は読んでいても「おお」と感嘆してしまった。
そうした彼等の姿を見ると、豆二は、かつてのお安のセリフではないが「相場はこわいやないの」といってみたくなる。
もちろん、豆二自身は、もはや、こわいとは思わない。天下の大相場師を相手に、輝かしい一生をあげたのである。それはかつての岩本栄之助や三六の悲劇から豆二が抜け目なく学び取った例の教訓による勝利ともいえた。教訓の一 ー侠気(きょうき)や義理人情にとらわれず、ソロバンに徹する。
城山三郎著「百戦百勝」より
教訓の二 -一気に大もうけをねらわず、ほどほどのもうけを、着実に積み上げる。八分目のもうけに満足する。
教訓の三 -イチかバチかでなく、豆を二つまくような戦法をとる。
ちいさな儲けをコツコツととっていく豆二の方法は「切手屋」とも揶揄されたぐらいだ。
先日、欲を出して大金を溶かしてしまったばかりの私には豆二の戦法は痛いぐらい堅実だった。
ちゃんと積み上げるとはこういう事なんだ、と感心させられたりした。
ケチで働き者のお安に共感
お安は豆二のように庶民の出身で、食堂で働いていた。
常にアンテナを張って、稼ぐことに一生懸命。
ただ、豆二のように相場で稼ぐことはせず、
自分で働いたお金を確実に貯めるタイプ。
お金を使わずに済ませることを常に考えているお安。
印象的だったのがこの場面。
豆二が兵役に行くことがきまり、お安が餞別だと言ってあるものを手渡す。
「これ あんたへの餞別や」
城山三郎著「百戦百勝」
お安が、豆二の膝の上に紙包を置いた。開けてみると、不ぞろいな妙な石けんらしいものが三個。それも色とりどりで、こぶだらけの不細工なものである。
お安が、すましていった。
「わての手づくりの石けんや」
「手づくり?」
「そうや。材料は、お風呂やなんかにすててある小さな石けんや。それを集めて手ぬぐいに包み、あたためながら、ハンマーでかためたものや」
「・・・・・・」
「いろんな石けんが集まっているから、あかもよう落ちるでえ」
豆二の微妙な顔が目に浮かぶようで可笑しくなる。
自分では意識しにくいASC
私もがつがつしたところがある。
オークションでお得だから、と大量にニット生地を買ってしまったり。
手芸店にいくと、値引きのコーナーをチェックせずにいられない。
スーパーの見切り品コーナーも大好き。
こんなにお得に買えた。
が大好きなのだ。
安いモノを使っても、よいものを作れるとうれしい。
主人もそういうところがある。
わが家では「高いものがいいのは当たり前」が合言葉のようになっている。
ただ、こうした趣味は全面的に出すと眉をひそめられることも多い。
そういえば、小さいころから「そんなにガツガツして」と
母親から言われることも多かった。
考えが似ている主人からも、そんなふうに言われることもある。
気をつけているんだけどなあ。
ついついやってしまう。
私のホロスコープでは、ASCに火星が乗っている。
厳密には火星は12ハウス側でASCとは3度はなれている。
ただ、3度ぐらいだと合の範囲内と言っていいだろう。
ASCは生まれた時の地平線と太陽の通り道(黄道)の交点。
ホロスコープの最も重要なポイントのひとつ。
私のASCはおうし座の初期度数なので、
物質的な豊かさを追い求める気質があると言っていいだろう。
火星もおうし座なので、それにより熱心になる傾向はあるんじゃないか。
おうし座ASCを持つ人や、火星を持つ人がみんなそう、ということではないけれど。
ただ、ASCの傾向は自分では自覚しにくい。
人からたびたび注意されたり、嫌な顔をされてしまうぐらいしてしまうのは
無意識にふるまってしまっていたからだと思う。
お安のガツガツした描写に苦笑しながらも、
私の行動もこんなふうに見えているのかもしれないな、なんて
本を読みながら思ったりしたのだ。
ただ、お安が私と違うところは、より頭がよく堅実なところ。
決してぶれることなく進んでいくし、富を積み上げていく。
そういう姿勢は現代には合わない、と言われそうだが
そんなお安も私には魅力的に感じた。
読書もたまにはいいものだ
「百戦百勝」を読み始めたら面白くて、他にも何冊か図書館で借りてきた。
ジャンルはバラバラだが、また機会があったら紹介しますね。
今回の本を読むきっかけになったのは翡翠先生のブログでした。
翡翠先生のブログは、東洋占術がさっぱりわからない私でもおもしろく読める。
ついつい読みに行っちゃいます。(勝手にリンクを貼っちゃってごめんなさい)
ホロスコープ見たら、マーズリターン(火星回帰)でした。
そして、もうすぐASCを越えます。
今回の読書で私の火星やASCを再認識させられた感じです。
それでは また☆
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