ハンドメイド考

「編み物ざむらい(三)」 迷い道騒動 横山起也

編み物ざむらい(三)

「続きがあるといいな」
思っていた編み物ざむらい。
三が出ていると知って図書館で予約しました。


浪人の黒瀬勘九郎は「仕組み」を担う墨長屋敷に居候をしながら大砲を打つ時に使う手袋を編んで生計を立てている。
幼なじみの真魚との祝言を控えて「仕組み」から手を引くと宣言するが、舶来物の編み物の服の修繕を頼まれる。
その依頼人が今回の「仕組み」の重要人物で、なおかつ真魚も絡んでいることがわかり、「仕組み」に再び加わることになった。


著者の横山さんは編み物作家でもあるので、糸や道具、編み地の描写も的確です。



間違えた編み地の補修に先が引っ掛けられるになっている仕様の針があったらいいのに、という主人公のボヤキに冒頭から同情してしまいました。
このころはかぎ針がなかったのか。
それは、大変、と。


わたしはかぎ針を出すのを横着して、棒針だけで間違えた編み地を直そうとしたことがあります。
棒針はかぎ針のように先端がフック状になってないので、目が滑ってはかどりません。
こんなことなら、最初からかぎ針を出せばよかった。
これこそ、時間のムダ。


もっと言えば、縄編みの時などに目を休める小さい棒針状の道具。
真ん中がくぼんでいる・・・うーんと、名前が出てこない。
調べたらクロバーでは「なわあみ針」という商品名でした。
そういう道具があるとなおいいですよね。
わたしもなんど助けられたことか。
小説を読みつつ、現代は便利な道具がたくさん開発・販売されていい時代なんだと改めて思いました。



二巻で行方不明になっていたコキリも戻ってきて
ジュノとのリズム感あるやり取りが復活。
なんども笑わせてもらいました。




編む人には編み物あるあるで楽しめるし、
そうでない人にも物語の筋で十分楽しめます。



ネタバレになっちゃうから書かないけど、後半には超重要事項が明らかになっちゃいます。
これは、この先どんな展開になるのか。
つづきが読みたい。


自信の影と対峙した感九郎が他人の心のほつれを修繕していくくだりも面白いです。



編み物の読み物としても面白かったので、書いてみました。


それでは また☆

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